

一人夜の街を歩く。
と言っても宿泊先の周辺だが。
大阪は名古屋のように地下道が発達していて、特に私の泊まった所では地下を歩いていれば大抵の用は済んでしまったので外をゆったり散策する暇もなかった。
初日に降り続いた雨はすっかり止んでいた。風はまだ少し冷たいが、高ぶった心にはちょうどいい。心地いい熱。
このあたりには一流ホテルや企業ビルが林立していて、例えばヒルトンみたいなのがガンガン建っている所なのだが、見上げればどでかい建物ばかり。
でも一つ一つのスペースが広いから窮屈さはなにも感じない。
ここが一等地で、つまりちょっと高級なものの集合体であるからなのだろうか。しかしせせこましいなかでも不思議と窮屈さが無いのはどこへ行っても共通している。恐らくそれはここに生きている「人」の気質によるところが大きいのだろう。そんな気がした。
頭上すぐの高速なんかちっとも気にならない。
要は生き方なんだなと思う。
散々歩いて、ホテルに戻った途端糸が切れたように眠りについた。
ホテルの12階にあたる私の部屋は梅田の駅を見下ろせる位置にあって、ひたすら列車の走る音が響いている。
そのお陰か、幸いなことに視界が開けた場所だ。
窓の横に座りながら空の明けをみる。大阪には空中庭園という展望台があって、その鏡のようなビルが朝焼けを反射する。
規則的な線路の音。
荒い車。
奥に連なる山々が静かに霞んでいた。
やはりここにいるとエネルギーの湧き方が違う。
人によく言われる大阪がよう似合うという言葉は、恐らく正しい。
けれど私は紛れもなくここではストレンジャーだ。
いずれにせよ帰らなければならない。
さてすっかり夜も明けた。
今日は何をしようか。
25歳